和食に隠れた魚のだし みそ汁・うどん・煮物で確かめること
肉や魚が見えない和食でも、みそ汁やうどんのつゆ、煮物、だし巻き卵などには、かつお節や煮干しのだしを使うことがよくあります。だしが入りやすい料理、植物性の昆布・しいたけだしへの置き換え、店での聞き方を、ビーガン・ベジタリアンの方向けにまとめました。

だしは和食の土台です
だしは、食材のうま味を水に引き出した汁です。和食の多くの料理が、このだしを土台にしています。
農林水産省は、昆布に含まれるグルタミン酸と、かつお節に含まれるイノシン酸が合わさると、だしのうま味が引き立つと説明しています。かつお節は、だしをとるための調味料として多く使われる食品です。
観光庁の飲食店向けガイドも、日本料理ではだしを使うことが多いと書いています。そのうえで、ベジタリアン・ビーガン向けの料理では、かつおなど動物由来のだしを避け、昆布など植物由来の原料からとっただしを使うよう勧めています。
肉や魚の姿が見えなくても、だしに魚が使われていることがあります。日本政府観光局(JNTO)も、肉やかつお節が隠れた材料として入っていることがあると注意を呼びかけています。
だしの種類
| だし | 読み | 原料 | 動物性か |
|---|---|---|---|
| かつおだし | katsuo dashi | かつお節 | 魚 |
| 煮干しだし | niboshi dashi | 煮干し(小魚などを煮て干したもの) | 魚 |
| 昆布だし | kombu dashi | 昆布(海藻) | 植物性 |
| しいたけだし | shiitake dashi | 干ししいたけ | 植物性 |
| 合わせだし | awase dashi | 昆布とかつお節などの組み合わせ | 組み合わせによる |
「合わせだし」とだけ書かれている場合は、何を合わせたのかを聞きます。昆布とかつお節の組み合わせは、うま味が引き立つ代表的な組み合わせです。
だしが使われやすい料理
| 料理 | 読み | だしとの関係 |
|---|---|---|
| みそ汁 | miso shiru | だしにみそを溶いて作ります |
| うどん・そばのつゆ | udon / soba tsuyu | だし・しょうゆ・みりんを合わせます。農林水産省はめんつゆの目安を「12:1:1」と紹介しています |
| 煮物 | nimono | だし・しょうゆ・みりんで煮ます。目安は「8:1:1」です |
| おでん | oden | めんつゆと同じ割合の汁で煮る料理として紹介されています |
| だし巻き卵 | dashimaki tamago | 卵にだしを加えて焼きます |
| 天丼のたれ | tendon no tare | 観光庁ガイドの例では、たれに魚介系のだしを使います |
| 納豆のたれ | natto no tare | JNTO は、パック納豆に付くたれにはだしが使われていることが多いと書いています |
具が野菜だけの料理でも、汁やたれにだしが入ることがあります。みそ汁の具が豆腐とわかめでも、だしは別に確かめます。
植物性のだしへの置き換え
観光庁のガイドは、ベジタリアン・ビーガン向けのメニュー例として、天丼のたれや味噌煮込みうどんの「魚介系出汁」を「昆布・キノコ系の出汁」に替える方法を示しています。魚介の代わりの食材としては、こんにゃくや、海苔・昆布などの海産物が挙げられています。
寺の精進料理も選択肢のひとつです。JNTO は、精進料理はおもに寺で出され、殺生を避ける僧侶の暮らしと結びついた料理だと紹介しています。ただし、現代の僧侶は乳製品を使うこともあるとも書いています。ビーガンの方は、精進料理でも乳製品と卵を確かめます。
ビーガンの方は、だしのほかに、卵・乳製品・はちみつ・ゼラチンも確かめます。観光庁のガイドは、ビーガンの人はこれらも食べないと説明しています。
店での聞き方
JNTO は、食べられないものを具体的に伝えるよう勧めています。肉や魚介だけでなく、だしやスープを含む動物性のものを食べないと伝えます。日本語で書いたカードを用意しておくと、忙しい店でも伝わりやすくなります。
つゆやたれを作り置きしている店では、一人分だけ作り方を変えられないこともあります。変えられるかどうかは店によって違うので、注文の前に聞きます。
市販のめんつゆや「だしの素」を使う料理は、原材料名に「かつお」「煮干し」「魚介エキス」などがないかを見ます。
出典・参考資料
店の情報は変わることがあります。来店前に店へご確認ください。アレルギーや持病がある方は、医師の指示に従ってください。宗教上の判断は、認証団体とご自身の判断にゆだねます。